難攻不落の要塞トレド


 トレドは紀元前二世紀にローマ人によって建設された。五七九年、イベリア半島に侵入した西ゴー卜
 人の首都となり、七一一年以降、四世紀近くもイスラム教徒に支配された。彼らのイスラム文化は、
 中世トレドの文化に大きく影響した。一〇八五年、アルフォンソ六世に再征服されたが、大部分のム
 スリムはここにとどまり、ムデハル文化を残した。(キリスト教徒統治のもとに残ったムスリムをムデ
 ハルという)。ここで生まれたムデハル様式の塔は、キリスト教とムスリム文化の見事な融合を象徴
 している。トレドの町はタホ川と堅固な城壁に囲まれ、町全体が難攻不落の要塞だった。
 上り下りの多い石畳の狭い路地は、長崎を連想させるが、点在するムデハル式の塔、ひときわ高い
 王城、ゴシック式の大聖堂など、ここには中世のたたずまいが、いまもほとんど変わらずに残っている。


トレドは長崎のような石畳の町で、狭い路地がどこまでも続く。

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