ビストゥンの磨崖碑


 ハマダンからケルマンシャーにむかい、西方百六十キロほどの所にビストウンの磨崖碑がある。 
 高さ百メートルほどの断崖に、浮彫と碑文があるので有名である。
 浮彫はダリウス大王が捕虜を引見しているところである。大王はひときわ大きく表現され、空中
 に現れたアフラ・マズダ神を右手をあげて礼拝し、敵将の一人ガウマタを足で踏みつけている。
 その前に九人の捕虜が後ろ手に縛られて並んでいる。いずれも大王が平定した民族で、最後
 のとんがり帽の人物はスキタイ王スクソハである。碑文は彫像のすぐ下に楔形文字で五段にわ
 たり古代ぺルシア語が、その左側にエラム語の楔形文字三段、その碑文のすぐ上にアッカド語
 の楔形文字碑文が刻まれている。
 この碑文は一八三三年以来、十四年間にわたって研究したイギリスのローリンソンによって解読
 され、古代ペルシア語解読のもととなった。


ビストゥンの磨崖碑の全貌。

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