花の都イスファハン


イラン人は「世界でもっとも美しいのは、イスファハンだ」と誇り高く言う。ここは古名をアスハダナと
 いい、アケメネス朝以来の古い町だが、一六二〇年、サファビー朝第五代のアッバース一世(一五
 八九〜一六二九年)によりイラン全土の首都となって以来、「イスファハンは世界の半分」と言われ
 る繁栄を示した。十七世紀はモスク建築がもっとも華麗なタイルで飾られた時代であり、町には、ア
 ッバース一世が総力をあげて営造したその時代の建物が数多く残っている。この町は、まさしく世界
 でもっとも美しい町の一つと言えるであろう。
 王の広場に残る王のモスク、シェイク・ロートフラ・モスク、四十柱宮殿、アリカフ宮殿をはじめ、古い
 歴史をもつマスジッド・イ・ジュマ、美しいハジュー橋、ジュルファのアルメニア教会、チャハルバグ・メ
 ドレッセなど見るべき所が多い。町の街路にはいたる所、美しい草花が咲き乱れ、まさしくこの世の
 楽園である。



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1  王の広場の正面にある王のモスクは、美しい瑠璃色のタイルで飾られている。
2  ハジュー橋。アッバースニ世により一六五〇年に落成。中央に展望台があり、さまざまなタイルで装飾されている。
3  アリカプ宮殿の前にあるシェイク・ロートフラ・モスクは、アッバース大帝が王室のための祈祷所として建てたもので、
 内部の華麗なタイルは世界一を誇る。


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