カイロ周辺の史蹟


 カイロの周辺には、多くの史蹟がある。まずギザには有名な三大ピラミッドがある。クフ王の
 ピラミッドとスフィンクスは、やはり近づいて手で触ってみると感激する。その南方のサッカラ
 には、ジェセル王の階段ピラミッドや南北のマスタバ墳群、ウナス王、セケムケト王のピラミッ
 ドなどがある。ルクソールが新王国時代の遺跡の宝庫なら、ギザ、サッカラは古王国時代の
 宝庫である。最初の興隆期のエジフト王や庶民の姿を、ギザ、サッカラのビラミッドやマスタ
 バ墳は、来世での生活を祈る記念物の中に示しているのである。
 早大考古調査隊が発掘しているフスタートは、カイロの南郊にあり、六四二年、アラブ軍の将
 軍アムルが、エジプトを攻略して建てた町である。ここは十二世紀の中頃、第二次十字軍来
 襲の際、焦土戦術で焼き払われた。
 フスタートが注目されたのは、ここからおぴただしい中国陶磁が出土したためである。これは
 南海路がはるばる華南とエジプトを結んでいた明白な証拠である。



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1  ギザの三大ピラ、ミッド群。右から左へ、メンカウラー王、カフラー王、クフ王のピラミッドが並ぶ。
2  サッカラにあるジェセル王の階段ピラミッド。エジプトにおける最初のピラミッドである。ここは周壁に囲まれ、内部に
 セド祭殿、葬祭殿、柱廊などがある。
3  フスタートを発掘する早大考古調査隊。ここからの中国陶磁片が、陶磁の道(南海路)を実証しつつある。

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