ヒワ汗国の旧都


  ウルゲンチの南西三十キロにあるヒワは、かつてのヒワ汗国の旧都である。一五九二年、
 ホラズム王国アラブ・ムハンマド・ハーンがここに都をうつしてから、一九二〇年までアムダ
 リア下流のオアシス都市として栄えてきた。
 ここはブハラと並んで西トルキスタンにおけるイスラム教の聖都で、いまでも中世イスラム都
 市の面影をそのまま残している貴重な遺跡である。
  ヒワは外城(デイシャン・ガラ)と内城(イチャン・ガラ)とからなる。外城には商人や手工業者
 が職種別に区域をつくって住んでいた。内城は王の宮殿やモスク、メドレッセなどが集中してい
 た。現在史跡として残されているのはこの内城だが、内城が無傷のまま残っているのは、西ア
 ジアではここだけである。
 内城には古い城とタシュ・ハウリ宮殿を中心にジュマ・モスク、ハフラワン・バマフムド廟、アッラ
 クリ・ハンのメドレッセなどがある。



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1  イチャン・カラ(内城)の城門をくぐると右手にアッラクリ・ハンのメドレツセがあり、巨大なミナレットが印象的だ。
2  ヒワの内城の城門。内城には現地の観光客も少なくない。
3  ヒワに現存する最古の廟内にあるセイド・アッラー・ウッデインの廟。墓は浮彫のある美しいマジョリカ焼でおおわれている。
4  ヒワの象徴ともいわれるイスラム.ホジャメドレッセのミナレット。高さ五十六メートル。


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