アフガニスタン

文明の十字路


 アフガニスタンは文字通り文明の十字路でありシルクロードの中枢である。この国に 
 は昭和五十四年のソ連軍進駐まで、毎年多くのシルクロードファンが訪れた。私も昭
 和四十一年以来、四回にわたってこの国を訪れ多くの遺跡を踏査した。

 いまそれらの旅で出会った友人たちのことを思うと、思わず胸が痛むのである。
 首都力-ブルは古くから南はインド、西はイラン、北はソグド地方との中継基地として栄
 えた所。市内の力-ブル博杓館には、ガンダーラ美術、バーミヤン、ベグラム、ガズニな
 どの世界的に著名なコレクションが陳列されていた。
 アフガニスタンのよさは、いたる所に古いバザールがあり、そこに世界中からのさまざ
 まな商品があり、チャイハナ(茶店)には、そこはかとなく中世の雰囲気が漂っているこ
 とである。バザールをあてどなくさまよい、ガヤガヤとした喧騒の中で、思いがけない
 珍品を見つけた時など、思わず「ああ、旅をしているな」という深い感慨にふけったもの
 であった。


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1  カーブルから東進すると、まもなくカーブル渓谷とよばれる大渓谷にさしかかる。
 道は急坂を下って一気にジャララバードの平原におりる
2  カーブル郊外で、牛に乗ってのんびり麦の脱穀をする少年


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1  マザリシャりフのタバコ・菓子屋。
2  カープルの北方チャリカールのバザール は、多くの遊牧民もやってきて賑やかな所 だ。果物屋と清涼飲料店
3  チャリカールからバーミヤンに向かう途中、ランガ ルの雑貨商。少年が独特の団扇を使っている。
4  チャリカールのバザールで、愛想のいい靴 磨きの少年。
5  バーミヤンへのシバル峠の手前の茶店。こ この トイレは天然の水洗式だった。
6  「これをもっていけばガールフレンドにもて もてだ よ」と言ったチャリカールの香水屋


中央アジアから地中海へ
ソ連 トルキスタン チムール大帝の都サマルカンド ブラハ汗国の王城址 ヒワ汗国の旧都
アフガニスタン 文明の十字路 バーミヤンの谷 聖地マザリシャリフヘ
ガズニ朝の遺跡 ヘラートの城砦 幻の理想郷ヌリスタン
イラン マシャドからシラーズへ アケメネス朝の大宮殿ベルセポリス ナクシュ・イ・ルスタムとパサルガダエ
花の都イスファハン ビストゥンの磨崖碑
トルコ アナトリア高原の遺跡 巨大なロ-マの遺跡エフェソス 欧亜の架け橋イスタンブール 
レバノン バールベックの廃墟とシドンの海の城
エジプト ヘレニズムの古都アレキサンドリア フスタートからカイロヘ カイロ周辺の史蹟
古都テーべの栄華を語るルクソール
チュニジア カルタゴの廃墟と聖地カイラワン
モロッコ 生きた中世都市フェズ  
スペイン イスラムの都、コルドバとグラナダ 難攻不落の要塞トレド
遥かなる西域 南海の仏の道