エジプト
ヘレニズムの古都アレキサンドリア


 エジプトはいわゆる四大文明発祥の地だが、メソポタミアと違って、何となくシルクロードと直接の関係が
 ないように思われ、久しく旅をする機会がなかった。ところが昭和五十五年十二月、私は平稲田大学エジ
 プト考古調査隊(隊長桜井清彦氏)に参加を許され、初めてエジフトを踏査することができた。
 十二月十三日、私は久しく憧れていたアレキサンドリアを訪れることができた。ここは地中海に面した明る
 い近代的な町で、港にはヨットが多数碇泊していた。周知の通りここはアレキサンダー大王が建設した町
 で、大王の死後はプトレマイオス朝の首都として、約三百年間、ヘレニズム文化の中心として栄えた。
 その間に世界の七不思議といわれた大灯台やムゼイオン(ミューズ神を祀る祭壇)、大図書館もっくられた。
 いまその大部分は破壊され、わずかに円形劇場、ボンぺイの柱、カタコンベなどが昔日の面影を伝えるの
 みである。


1

2
1  コム・エル・ディッカの遺跡。鉄道駅の近くにあり、共同浴場と円形劇場が発見された。
2  港の先端にあるカイト・ベイの要塞は、マムルーク朝のスルタンであった彼が、大灯台の跡につくった砦である。


中央アジアから地中海へ
ソ連 トルキスタン チムール大帝の都サマルカンド ブラハ汗国の王城址 ヒワ汗国の旧都
アフガニスタン 文明の十字路 バーミヤンの谷 聖地マザリシャリフヘ
ガズニ朝の遺跡 ヘラートの城砦 幻の理想郷ヌリスタン
イラン マシャドからシラーズへ アケメネス朝の大宮殿ベルセポリス ナクシュ・イ・ルスタムとパサルガダエ
花の都イスファハン ビストゥンの磨崖碑
トルコ アナトリア高原の遺跡 巨大なロ-マの遺跡エフェソス 欧亜の架け橋イスタンブール 
レバノン バールベックの廃墟とシドンの海の城
エジプト ヘレニズムの古都アレキサンドリア フスタートからカイロヘ カイロ周辺の史蹟
古都テーべの栄華を語るルクソール
チュニジア カルタゴの廃墟と聖地カイラワン
モロッコ 生きた中世都市フェズ  
スペイン イスラムの都、コルドバとグラナダ 難攻不落の要塞トレド
遥かなる西域 南海の仏の道