欧亜の架け橋イスタンブール


 私はイスタンブールを三回訪れた。ここはアジアとヨーロッパにまたがる世界でただ一つの町である。 
 そしてシルクロードの旅をはじめるのにふさわしい町だ。かつて中国の新疆ウイグル自治区に入れな
 い時は、シルクロードというと、まずこのイスタンブールから出発し、インドにむかったものだった。
 ここはボスポラス海峡がヨーロッハとアジアを分かち、ヨーロッパ地区は金角湾がスタンブール地区と
 ベイヨール地区に分けている。
 夕方スタンプール地区の丘の上に立つと、金角湾は文字通り黄金の角のようにキラキラときらめいて
 いる。スタンブール地区はかつて東ローマの首都コンスタンチノーブル、オスマン・トルコの首都イスタ
 ンブールのあった町で、様々な道跡・旧蹟が多い。とくにバザールは三万平方メートルの広さをもち、
 さまざまな専門店三干軒が立ち並んで、そこをさまようと、思わず『ペルシアの市場』の旋律が脳裏に
 ひらめいてくるのである。



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1  スルタン・アフメツト・モスク。美しい内部のブルーのタイルのため、ブルー・モスクとよばれる。六本のミナレットをもつ。
2  トプカプ宮殿の庭から金角湾を見る。右手がジェノア人らの住んだベイヨール地区。橋はアタチュルク橋とガラタ橋。
3  トプカプ宮殿の門。四百年にわたるオスマン朝の宮殿。内部に豪華なオスマン朝の宝物が展示されている。

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