ガズニ朝の遺跡



 
ガズニ朝はアフガニスタンに初めて誕生したトルコ系の王朝である。十世紀中頃、サーマン朝に 
 仕えたトルコ系奴隷アルフテギンは、ホラサン総督に任ぜられていたが、その君主の死後、その
 職を解任されると、九六二年、ガズニにおもむいて独立した。その後この王朝は、第五代のスブ
 クチギンとその子マフムードの時代に大いに発展し、東はインド、西はイラン、北はソグディアナ
 に及ぶ広大な版図を開いた。とくにマフムードはインドに十七回も遠征し、その首都ガズニには、
 『王の書』で名高い詩人フィルドゥーシーや『インド誌』を著したアル・ビルー二ーらが集まり、モス
 クや大学なども建設されて、文化的にも高いレベルに達していた。
 いまガズニには王宮址や巨大なミナレット、モスクなどの遺跡があり、カンダハル西南方のラシカ
 ルガには広大な冬の都の廃墟がある。
. ガズニにはまた広壮な本城があり、その下は賑やかなバザールになっている。


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1  ガズニのミナレット。十一世紀末マスード三世の建立。もう一つバハラムシャーの ミナレットもある。
 ジャムのミナレットの原型。
2  アフガン戦争時代から盛んに使われたバラ・ヒサール(本城)。いまは兵営になっている。
3  ガズニのバザールには近郷近在の農民たちのほか、多くの遊牧民もやってくる。


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