ブハラ汗国の王城址


 いまから十年前まで、ブハラはソグディアナでももっとも中世的なイメージの残された町だった。 
 旧市街はほとんど整埋されてしまったが、それでも多くのモスクやミナレットかあり、かつて西
 トルキスタンに君臨したブハラ汗国の王城もそのまま残り、チンギス・ハンに破壊されたと伝え
 られる城壁も崩れかけたまま残っている。
 古い建物としては、九世紀末のイスマイール・サーマン霊廟、十四世紀再建のチャシュマ・アユ
 ブ廟、八世紀以来、何回も改築されたマゴキ・アッタリ・モスクなどがある。
 マゴキ・アッタリはゾロアスター教、仏教、イスラム教の三つの寺院に時代とともに改造されたと
 いわれる。また昭知五十五年に再訪した時は改装中だったが、十二世紀にカラハン朝によって
 創建されたカリヤン塔は、十九世紀まで死の塔として使われたという。その背後にある丸屋根の
 バザールは、いまもそのまま使用されている。



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1  サーマン朝の祖イスマイール・サーマン廟は、色タイルをまったく使わず、 光線の具合で美しい文様を浮かび上 がらせる。
2  古い丸屋根を連ねた駅彫在は、いまもバザールとして使われている
3  ブハラ汗国の王.城は、そのまま生きた博物館になっている。

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