アケメネス朝の大宮殿、ペルセポリス


 ペルセポリスは中近東最大の遺跡である。アケメネス朝のダリウス大王によって創建された 
 この大宮殿は、アレキサンダー大王によって炎上させられたものの、その巨大な遺構とるい
 るいたる廃墟が、かつての栄華と繁栄を物語っている。
 メソボタミアにはじまるオリエント数千年の文化が、ここに凝集しているのである。たとえば、
 現代科学の粋を行くロケット基地や原子力発電所が、いまから二千年たったら、どのような
 形で残るだろうか。
 それにひきかえこのヘルセホリスには広壮な大階段といい、万国の門といい、アハダーナ、
 百柱の間、宝庫など、巨石で組まれた遺構は、破壊されたとはいいながら、整然たる構成と
 美しい調和を示している。
 ぺルセボリスの周囲は、地図にはマルブ・ダシュトと記されている。ダシュトとは砂漠の意味
 だが、遺跡の周囲は緑濃い畑がはてしなく広がっていて、いかにも「国破れて山河あり」とい
 った感慨を旅人にもたせるのである。



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1  広大なアパダーナには、巨大な十三本の列柱が残るのみだが、基壇の周囲には美しい朝貢者の群像が刻まれている。
2  万国の門の前方に二、三の柱頭が転がっている。カ強いフェニックスの柱頭。
3  万国の門は石材を用いた入り口の両側壁と二本の石柱が残り、アッシリア風の人面有翼獣身像や牡牛が刻まれている。
4  裏山から望むペルセポリスの中央部。手前から宝庫、百柱の間、アパダーナ(謁見の間)と続く


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