華やかな「天使たちの都」バンコク
ビルマ調査の後、私は東南アジア周遊の旅に出かけた。まず訪問したのはタイで、約十日間 滞在した。タイには全部で四干六百ほどの寺院があるといわれるが、バンコクにはその約一 割に近い四百の寺かある。 まず、エメラルド寺は王宮の北隣にあり、一七八五年に建てられたタイでもっとも格式の高い 寺である。その名はこの寺の本尊(高さ六十一センチ)が、エメラルドに似た碧玉でつくられて いるためである。境内を囲む石塀の入り口には、必ず二体の怪物像が立ち、本堂の北側に 巨大なバゴダ、ジャワ風仏塔、アンコール・ワットの模型などがある。 なお、王宮の南側には涅槃寺があり、北東には大理石寺がある。十九世紀末、ラマ五世によ って建てられたもので、すべてイタリアから取り寄せた大理石でつくられている。 このほか、暁の寺や黄金仏寺など、バンコクにはさまざまな寺院がある。 |
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