パガンのパゴダ群


 パガンはイラワジ川の中流にある古都の跡である。十一世紀の中頃、パガン朝のアナワルタ王は、 
 マンダレー南方のタトンを攻め、たくさんのモン族を捕らえて凱旋した。ビルマ族は彼らから仏教や
 工芸を学び、次々にパゴダを建てた。十一世紀から十三世紀にかけて、パガンにはあらゆる型と
 大きさの寺院やバゴダがつくられ、その内部は巨大な仏像や壁画で飾られた。これらのパゴダは、
 大別して次の二つのタイブからなっている。
 一つはストゥーパ型で、やや細長い鐘を伏せた型の塔である。もう一つは巨大な四角型の堂の上に
 円天井をのせた、仏像を祀るための寺院である。パガンには崩れかけたパゴダや寺院が、約五千も
 眠っているという。この古部は、かつてビルマの人々がその激しい情熱を仏教にかけた夢の跡なの
 である。


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1  壊れたパゴダの群れが、るいるいと立ち並ぶパガンの廃墟。
2  蒼穹を突っ切るようにそそり立つタッビンニュー寺院。一一四四年建立。高さ約六十ニメートル。
3  宿舎の近くにあったゴードーパリン寺院。こうしたパゴダに登ると、辺りがよく見まわせて壮観である。
4  イラワジ川のほとりに立つブー・パゴダ。先年の地震で半壊したという。


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