きびしい僧侶の生活


 ビルマは一九六二年のクーデター以来、社会主義政策をとっているが、仏教は相変わらず 
 盛んである。国内各地の僧院では、おびただしい学僧が熱心に研学に励み、新しいパゴダ
 も次々につくられている。
 僧侶の社会的地位はきわめて高く、彼らの日常の研学・修行はなかなか厳格である。彼ら
 は幼時から寺に入り、才能がなければ環俗する。
 寺に残った僧は毎朝未明に起き、托鉢に行き、十一時頃に一日一回の食事をとり、午後は
 熱心に経典を研究する。食事は一日一回なので、あとはタベの勤行を除き、ひたすら勉強に
 つぐ勉強である。
 ビルマ人は一生に一度は得度式を行う。一族の人に賑やかに寺に送りこまれ、高僧の説教
 を受け、剃髪する。そして翌朝、おごそかに受戎の式を受ける。受戎を終わって外へ出ると、
 一族の人々が手に手に贈り物を用意して新しい僧に捧げる。やがて僧たちは食堂に集まり、
 高僧以下順次に食事をして、本格的な修行にとりかかるのである。


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1  托鉢は朝七時からはじまる。僧侶が托鉢をもっていくと、人々は用意した主食や副食を供養する。
2  高僧の説教。得度式に臨む人々は正装して、高僧の説教をうやうやしく聞く。
3  剃髪。説教を聞いたあと、僧院の庭で剃髪する。このとき家族はタオルでその髪を受ける。
4  洗身。剃髪後、頭から水を浴び、全身をよく洗う。二れで俗社会とは縁が切れたことになる。
5  受戒。剃髪・洗身のあと僧衣を身につけ、翌朝、戒檀院で厳粛に受戒の式を受ける。
6  食事。受戒が終わると食堂に集まり、一日一回の食事をとる。正午以後は一切食事をとらない。
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