初転法輪のサルナートとナーランダ


 ブッダガヤで成道された釈尊は、まずサルナ-トヘおもむいて初転法輪(初めて教えを説く)され、 
 その後は王舎城、バイシャリ、祇園精舎などで布教活動に従事し、クシナガラで入涅槃した。
 古来、仏跡としては、(一)生誕のルンビニー、(二)成道のブツダガヤ、(三)初転法翰のサル
 ナート、(四)入涅槃のクシナガラの四大聖地のほか、(五)サンカシヤ、(六)王舎城ラジギール、
 (七)バイシャリ、(八)祇園精舎の八か所が重要とされている。
 そしてこれらの聖地はサンカシヤを除いて、だいたいパトナの周辺にある。
 パトナはマガダ国の王都で、鶏園寺の跡には巨大な石柱の跡が今日も池の中に残っている。
 そこから王舎城(ラジギール)へ行く途中、五〜十三世紀に仏教大学として有名なナーランダ寺
 がある。巨大なストゥーハと寺院址、僧院址が林立している。パトナの西方べナレスの近くにサル
 ナートがあり、初転法翰の聖地鹿野苑(ろくやおん)がある。ここにもダメーク大塔をはじめ多くの
 仏塔、僧院址などがある。


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1  ナーランダ寺には多数の学僧の個室があり、インド最大の仏教大学の威容を誇る。
2  パトナの鶏園寺の跡。乾季に行くとこのように石柱の跡を見ることができる。
3  庭園内の一部に列柱の部分品が集められている。
4  サルナートのダメーク大塔の伏鉢部。周囲をビルマの学僧が何回も何回もまわっていた。
5  見事な獅子を刻んだアショーカ王塔の頭部。(サルナート博物館蔵)


南海の仏の道
インド 釈尊生誕の地ルンビニ 釈尊大悟の聖地ブツダガヤ 初転法輪のサルナートとナーランダ
祇園精舎と釈尊入滅の地クシナガラ  均整のサンチーと灼熱のカジュラホ 華麗なアジャンター石窟群
壮大な石の芸術エローラ インド窟院の源流
パキスタン ガンダーラ仏教美術の故郷タキシラ
スリランカ 古代の聖都アヌラーダプラ シギリヤの岩山と古都ポロンナルワ
ビルマ 首都ラングーンを飾る仏塔 山紫水明の古都マンダレー きびしい僧侶の生活
意外に日本と似ているビルマ人の暮らし パガンのバゴダ群
タイ 華やかな「天使たちの都」バンコク アユタヤからタイの東南辺境へ タイの京都、チェンマイ
インドネシア 壮大なる仏跡ボロブドゥル
韓国 日本の原郷、慶州
遥かなる西域 中央アジアから地中海へ