ナクシュ・イ・ルスタムとパサルガダエ
ザグロス山脈の東部はファールス地方とよばれ、イラン人の故郷である。ここにはペルセホリス のみでなく、アケメネス朝の王墓群ナクシュ・イ・ルスタムや、この王朝の始祖キュロスがひらい た王都ハサルガダエがある。 ナクシュ・イ・ルスタムは、ベルセポリスの北方約四キロにある。巨大なクシホセイ山の岩崖に、 左から右ヘダリウスニ世、アルタクセルクセス一世、ダリウス一世の墓が並び、右側のかぎの 手に曲がった所にクセルクセス一世の墓がある。これらの十字形の磨崖王墓は、明らかにダ リウス一世によって創始されたもので、墓の入り口の上部には、臣下が玉座を支え、その上の 火葬用の薪の近くに王が立ち、その上にアフラ・マズダ神が刻まれている。 ペルセポリスの北方約七十キロにアケメネス朝最初の都パサルガダエがある。ここには石棺形 のキュロスの墓タクト・イ・マダール・イ・スライマン(ソロモン王の母の座)があり、付近にキュロス の宮殿の遺構がある。いくつかの宮殿址と拝火教神殿の跡があり、ぺルセホリスの前段階を示 すものとして貴重である。 |
1 | ナクシュ・イ・ルスタムの全景。一番右側がダリウス一世の墓。左端に墓前の拝火教神殿の上部が見える。 |
2 | ナクシュ・イ・ルスタムの王墓群の裏にあるゾロアスター教の拝火壇 |
3 | アケメネス朝諸王の墓の下部に、ササン朝諸王のレリーフがある。ダリウス一世の墓の下に刻まれたシャープール 一世の勝利図。ひざまずくのはフィリップス・アラブス、立って右手を掴まれているのがバレリアヌス帝。 |
4 | パサルガダエの宮殿址。前方はるか彼方に拝火教の神殿趾が見える。 |
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