天山の遊牧の民、カザフ族 |
カザフ族は西はソ連邦のカザフ共和国から東は新疆北部に分布するトルコ系遊牧民である。 彼らは十五世紀の中頃、アブル・ハイル・ハンのもとに勃興したウズベク族から分離独立して、 現在のカザフ草原に移動した遊牧民の子孫である。やがてカザフ族は、カザフ草原からジュン ガル盆地にいたる広大な草原で遊牧生活を送っていたが、十八世紀後半以降、その東部は 新疆に進出した清朝の名目的な藩属国となった。その後ジュンガル盆地に移住するカザフは 次第にふえ、現在五十万人以上の人々が伊犂(いり)カザフ自治州に住んでいる。 カザフは天山山中や東部天山にも住み、ウルムチ南方の南山に住むカザフ族もその一派で ある。彼らはテントに住み、遊牧生活を送っており、昔ながらの風俗を守っているといわれる。 |
1 | アフガニスタンの"ブトカシ"のような、羊の奪い合いもする。 |
2 | かつての荒々しい遊牧民の伝統をもつカザフ族の男女たち。いまも南山の草原を疾駆する。 |
3 | 南山のカザフ族は春から秋にかけてこの地方で遊牧する。乙女たちは美しい服を着てたくみに馬に乗る。 |
4 | カザフ族のパオ。内部にはわずかな家具がある。 |