ウルムチは新疆ウイグル自治区の首都で、人口は約八十万人、十三の少数民族が住んでいる。
ここは長く遊牧民の根拠地として繁栄してきたが、十八世紀以降清の迪化城(てっかじょう)として
栄え、十九世紀末以来、新疆省の省都となった。
一九三三年には盛世才がソ連の援助を受けて政権を樹立したため、その立場は微妙となったが、
一九四九年、中国人民解放軍によって解放された。現在は新疆随一の工業都市として発展し、多
数の重・軽工業地帯が開発されている。ウルムチの東北には天山山脈の懐深く天池かあり、西南
にはカザフ族の住む南山がある。西北百五十キロには国営農場の石河子(せきかし)がある。ウル
ムチは、北京、蘭州と航空路で結ばれ、新疆の観光はここを基点として行われている。
ここからカシュガル、アクス、クチャ、ホータン、チェルチエンに航空路が開設されている。
多くの諸官衙(かんが)、大学、博物館があり、黄色い壁に縁の街路樹か映える美しい町である。
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