シルクロードの関門、蘭州

 蘭州は古く金城郡とよばれ、シルクロードの関門として重要な町であった。長安を出で西にむかったキャラバン
 は、ここで黄河をこえ、河西回廊地帯にむかわねぱならなかった。
 現在の蘭州は甘粛省の省都で人口二百万、空路北京から二時間、西安から一時間で達する。
 但し、空港から市街へは七十五キロもある。市内には石油化学工場や繊維・食品工場等が林立し、一大工業
 地帯となっている。
 史跡としては漢の名将霍去病(かくきょへい)が兵士のため剣を刺して五つの泉を出したといわれる五泉山公園、
 頂上に白い仏塔がある白塔山公園があり、甘粛省博物館も展示品が充実していた。
 有名な甘粛彩陶や居延漢簡、馬踏飛燕の銅奔馬(どうほんば)や張将軍の出陣模型など典味深く参観した。
 蘭州から西方へ、劉家峡(りゅうかきょう)ダムを遡航すると、有名な炳霊寺(へいれいじ)石窟に達する。


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1  蘭州のハザールて見かけた香料屋。
 胡椒(こしょう)、肉桂(しなもん)、ナツメグなど東南アジア産の香辛料が山のように 盛られていた。
2  白頭山公園。旧市街から黄河鉄橋をこえるとすぐ目の前にある。山内に道観・仏閣が多い。
3  五泉山公園て遊ぷ子供たち。踊りのため少数民族の民族服を着ている。

遥かなる西域

仏教熱の燃焼雲岡石窟 静謐な微笑をたたえる竜門石窟 栄華をきわめた古都、長安
シルクロードの関門、蘭州 黄河に影映す炳霊寺石窟 河西回廊の要衝、酒泉
西端の砦、嘉峪関 花ひらく敦煌 盆地の中のオアシス、トルファン
漢人が開拓した高昌故城 ベゼクリク千仏洞とアスターナ 天然の要塞、交河故城
ウルムチから天山へ 天山の遊牧の民、カザフ族 西域南道のオアシス、ホータンと民豊(ニヤ)
ニヤ遺址への旅 西陲の地カシュガル
中央アジアから地中海へ
南海の仏の道